
講師:善竹 十郎 氏
大蔵流 狂言師
狂言の歴史はとても古く、
650年前の奈良時代にさかのぼる。
「雅楽」と共に中国より渡来した「散楽」がその原型である。
最初はこっけいな物真似として表現された狂言も、
時代と共に単なる物真似から進化して、
様々な世相を風刺する笑いの台詞劇として発展をしてきました。
そんな650年続く狂言も、その存在が危うくなった時期がありました。
明治維新・第二次世界大戦です。
しかし狂言を愛する人々の懸命な努力により、
650年もの間、脈々と親から子へ、子から孫へ、
また、師匠から弟子へと一度も耐えることなく、
伝え続けられています。
このような演劇(能楽)は世界中でも唯一といっても過言でなく、
能楽(狂言と能の事)はユネスコの「世界無形遺産」に指定されています。
このように日本が誇る伝統芸能であるにもかかわらず、
現在、「能とはなにか?」と問われ、
能を説明できない日本人が沢山いる。
能楽が世界無形資産に指定されているのも知らない人が沢山いる。
氏はこの事がとても残念で仕方がないという。
「能を多くの人々に知っていただくのが私の生きている間の役目です」
という氏は、
世界中で狂言の舞台をこなす。
世界だけでなく、日本の地方の中学や高校向けに狂言教育も行っている。
氏はいう。
「笑い」こそがすべての健康の源。つまり長寿の源である。
健康のポイントは3つ。
1つ目は「精神」
2つ目は「免疫力」
3つ目は「内分泌」
これを健康のトライアングルという。
精神がしっかりしていると「笑い」が起きる。
笑うと2つのホルモンができる。
脳が活性化される「ドーパミン」と癒しのホルモン「セロトニン」である。
ドーパミンは血をさらさらにする効果があり、
セロトニンはストレスをなくす効果がある。
また、免疫力を高めるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)が増力し、
病気になりにくい体をつくる。
「笑い」は健康によい。という事が医学的にも実証されているのだ。
狂言はもともと、「笑い」を追い求めた古典芸能である。
氏は、もっともっと人々に狂言に親しんでもらい、
腹のそこから笑い、皆が健康になってほしいと願っている。
そこで、百聞は一見にしかずと言う事で、
講話の途中、氏は一人3役で、狂言を実際に実演してくれた。
実際に初めて狂言を見たが、意外と分かりやすかった。
分かりにくいところは、きちんと解説があるのだ。
そして最後に狂言流「笑い」を皆で行った。
しかも大きな声で、「はー!はー!はー!」と
笑うまねをするだけでも、その後がすっきりする気がする。
伝統芸能とはいえ、狂言はそんなに高くないそうである。
5000円位で鑑賞できるとの事。
日本人の誇りである、笑いの原点。
一度親しんでみたいと思った。
渋谷区倫理法人会 幹事 天池知子